MRO Japan株式会社にて人事・採用を担当している総務課長 植草さんへ、採用活動や労働環境の整備など、同社独自の取組みについて、お話を伺いました。
MRO Japan 株式会社は、航空産業と地域社会の発展に向け、飛行機整備業務の提供を通じて、空の安全を支えています。2016年4月に、弊社の第1期生19名が入社してからこれまで約90名を採用し、現在計256名が弊社に在籍しています。
社員のほとんどが沖縄県出身者であり、工業高校出身を中心とした高校卒業者が全体の約7割で、沖縄工業高等専門学校(以下、高専)・航空系専門学校卒業者が約2割、琉球大学を中心に大学卒業者が約1割という構成となっています。
弊社が求める人材は大きく3つあります。
まず1つ目に、飛行機に興味関心があり、自ら手を動かし、機械をさわることが好きな方。整備士は、暑い格納庫内での作業が主であるため、その環境に耐えられるような前向きなモチベーションが必要です。
2つ目に、英語に抵抗感がない方。お客様より受託する飛行機のマニュアルは定型英文のため、作業時は英文の読解力が必要です。「英文への慣れ」を習得していくためにも、英語に抵抗感が少ないことは重要です。
3つ目に、体力に自信がある方。整備士は、暑い現場の中でお客様より受託した飛行機の整備を行うため、過酷な環境に耐えうる体力が必要です。
弊社は採用活動を行う上で学歴や性別などの制限を設けていないため、飛行機が好きでMROビジネスを共に大きくしていきたい!という強い想いのある方と、ぜひ一緒に仕事がしたいと思っています。
弊社は設立して間もない会社ですが、ワークライフバランスを意識した環境(制度)作りに取り組んでおり、働きやすさという観点からの制度充実を図っていきたいと考えています。
勤務形態は、土日を含んだシフト制となっており、全従業員の休日数の均一化など社員のプライベートの充実が図れるよう、環境の整備に努めています。
また、「懐妊育児休職制度」を設けており、これは女性のみならず男性も育児休職が取得できる制度です。既に1期生が、懐妊休職を経て現在、育児休職を取得しています。このまま順調に復職となれば、弊社初の懐妊育児休職明けの復職となります。
さらに、弊社は県内外問わず、広く採用活動を行っているため、うるま以北、県内離島など会社から30㎞圏外に居住する社員を対象に住宅手当制度を設けております。出勤方法については、自家用車での出勤の他、モノレール等の公共交通機関での通勤が可能です。自家用車以外の通勤の場合、那覇空港ターミナルからMRO施設まで、弊社専用の業務用連絡バスで移動するため、制限区域内への特殊な出勤方法が味わえます。
その他の福利厚生制度については、クラブ活動支援など様々に検討していきたいと考えています。併せて、地域貢献活動の一環として、地域行事への参加を検討していきたいと思っております。まずは、地域のイベントである那覇ハーリーに「チームMROJapan」で挑戦したいですね。
弊社は、更なる人材の確保に向けて広く採用活動を行っています。
ホームページ等を通じた大卒者向けの採用活動に加えて、沖縄高専や航空専門学校向けの個別会社説明会や、高校生向けに県内ハローワークを通じた採用活動を行っております。
入社後は、航空整備における上位国家資格である「一等航空整備士」へのチャレンジを促していきたいと考えています。そのため、第二等航空整備士の資格を取得できる航空系専門学校を卒業された方など、一等航空整備士の資格取得にできるだけ早い期間で到達して頂ける方などに来て頂けたらと思っています。
加えて、弊社の採用活動では、学歴や性別などの制限を設けていないため、国家資格をまだ取得していない方もチャレンジができる会社です。実際に、県出身の高卒者の皆さんも一緒に働いています。
また今後は、会社の自立化に向け、航空整備業務はもちろん、その他、総務や企画などの業務について、キャリア採用も検討していきたいと考えています。
弊社では、県内工業高校や沖縄工業高等専門学校と連携した、独自の取組みを行っています。
沖縄工業高等専門学校は、国立高専初の「航空技術者プログラム」を立ち上げており、その中から毎年1~2名の卒業生を採用しております。将来の航空人材を担う方々なので、今後も引き続き、積極的に当プログラムに関わっていきたいと考えています。
さらに、工業高校中心ではありますが、本島から離島までの学校を訪問し、会社説明会を実施しています。これまでの活動を通じて、弊社の認知度が低いことに加え、工業高校卒業時からチャレンジができる会社である、ということについても知られていなかったため、弊社の更なる認知度向上への取組みを展開していきたいと思います。
また、高校生と進路指導担当教員を対象に職場見学会を実施し、学生時代から仕事を身近に感じてもらうため、仕事の実態などを伝え、入社後のミスマッチ防止及び弊社の認知度向上にむけ取り組んでいます。
また、小学生から大学生まで幅広い方々に、弊社や航空整備士に興味を抱いてもらうため、今年度より一般者向けの施設見学を受け付けています。
人材育成の一環として、社員研修を実施しています。
入社1年目研修では、特に安全面に配慮した教育プログラムを組んでいます。大卒や高専・専門学校卒、高卒など多様なリソースの中、社会人としての教養も含め、社員として足並みをそろえていく必要があるため、入社後の4~5月は社会人としての基本的ルールやマナーについての教育を行っています。その後、6~9月は、航空整備士として専門的な教育プログラムを実施し、9月よりOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)として社員を現場へ配属します。
その他、入社2年目研修の実施や一等航空整備士など国家資格取得に向けたOJTの実施や社内資格制度の充実などを図っており、今後も人材育成に向けた取り組みを様々に検討していきたいと考えています。
今後、弊社の更なるビジネス拡大に向け、2020年度末までに欧州認証の取得に向け取り組んでいきます。認証取得過程で、社員の一定程度の英会話能力が必要なため、ここ1~2年で社員の英語能力の育成・向上を図る必要があると考えており、今後は外国人雇用についても検討していきたいと考えています。
また、社員の更なる挑戦の場を創出するため、海外MROとの社員交流を通じた海外でのMRO事業の経験など、チャレンジできる環境を整えていけたらと考えています。弊社の自立化に向け、ひとつひとつ、種をまいていきたいですね。
弊社では、これまで約90名近くの採用活動を行っており、現在ではANAからの出向者を含め、265名の社員が在籍しており、会社の自立化に向けた取り組みが必要となっています。10年~15年後には、弊社での採用を400名規模まで持っていきたいと思っています。
格納庫は最大4機まで整備が行えますので、将来的には世界中の様々な航空機体を整備し、格納庫を色とりどりの航空機で並べたい。そんな夢や目標を社員の皆さまと共有しながら、会社の自立化、そして更なる成長発展に向け、今後とも取り組んでいきます。
子どもの頃はみんな飛行機行が好きで、空飛ぶ飛行機に手を振ってたこともあったと思います。
そんな飛行機が好きで、MROビジネスにチャレンジして、共に大きくしていきたい!という熱い想いのある方とぜひ、一緒に仕事がしたいなと思っています!新しくきれいな建物で働けて、また安くて美味しい食事もありますよ~★